だからいったこっちゃない、
あんなにのんびりやってたら、
まにあいっこない、
グインサーガ…
わたしの心に最初に浮かんだ感想は、それでした。
高校生時代、リアルタイムで
江森三国志をJUNEで
小説道場の栗本薫さん評つきで
よんでた世代のわたくしです。
魔界水滸伝の最初の新書10冊は好きでした。
当時イラストは永井豪でしたよ。豪華です。
リョウと多一郎が美しく終わって、
ついてく気力もなくなりました。
(^▽^;)
グィンサーガは30巻あたりで挫折。
そんな私は同世代のJune読みのなかでは、たぶん落ちこぼれです。
BL誌乱立で6月時代が終わってくれたとき
内心ほっとしたものでした。
ただ、不思議と、
以来、つづけて読んだ雑誌がありません。
無数のBL雑誌が
うかんではきえていくのを
ただ黙って横目で見ていました。
小説道場のお弟子さんの作品は
好きなものが多かったです。
栗本さんが
小説道場をやっててくださったことは
本当に感謝にたえません。
龍神沼綺譚であるとか、
紅かんざしであるとか、
鼓ケ淵であるとか、
かっちゃんやらしてよ、とか、
レザナンス・コネクションやら
けっこう糞味噌いわれてたロクフェルもわたしは好きでしたし
ダダカズや青桃や
まあ、あげはじめたらきりがありません。
(アマゾンなら今どれもたいてい1円買いだな…)
ああした名作の数々も
JUNEがあったから出会えたと思います。
やがてフジミ祭りになり
ついに私は読者から脱落しましたが
まあそれでも
Juneは私の中では
訪ねる気はなくとも
やっぱり母校のごときところでした。
淀川乱歩とかそれなりに読んでたりする自分がいるのも
Juneのおかげでしょうか。
それとも6月の雨にぬれただけ…?
信田琴美さんのたった数回のすさまじく美しいイラストや
西炯子さんの「天使にならなきゃ!」「出口」
気恥ずかしいけど好きだった「魔法使いの弟子」シリーズ
道原かつみさんの一番好きだった頃のイラストが華麗に舞っていた「間の楔」…
衝撃的に美しく、忘れがたい絵との出会いも多かったです。
そうそう、旧JUNEの創刊2号の読者投稿欄には
若き日の河惣益美のイラストがのっていましたね。
そんな雑誌を支えていた栗本さん。
ほんとにご立派なお仕事ぶりでした。
栗本薫さんは他にも
わたしの大好きな野阿梓の
最初の単行本の後書きを書いていたりとか
(花狩人中古相場が300円台に上がってる…凶天使の再版が効いたか?)
とりあえず
いろんなところでお名前拝見していました。
いろんな人材をお育てになられた方だと思います。
わたしはあの方を
2ちゃんねるふうに「御大」とか呼ぶのは嫌いです。
偉大なお仕事をなさったのは間違いありませんが
そういう役割(使命とよんでもいいが)をなした
一人の先達だと思っています。
BL界で国葬扱いでも
私はそっと心の中で手を合わせるだけで
おわらせていただきます。
より偉大な後輩たちが
彼女の業績を塗り替えてゆくことを望みます。
イアソン・ミンクが2ヶ月に一度舞い降りていたあの季節、
教室の隅で紙袋に入れた小JUNEをこっそりやり取りしたあの季節、
江森三国志が天雷のごとく鳴り轟いていたあの熱い嵐の夜、
小林智美さんのこのうえもなく美しかった孔明が微笑んでいたあの小さな雑誌を
あの熱狂を知っているのは
きっとわたしたち世代の小さな幸せ。
あの情熱を
今の孤独な一人っ子の子供たちに
また別の形で
愛をこめて
きっと
受け渡してゆきましょう。
それが栗本さんへの
わたしたちからの
一番のお礼なのではないでしょうか。
心よりご冥福をお祈りいたします。